山の動物たち

授 業 名 山の動物たち
実施学校名 松本市立田川小学校
実施学年、学級

参加人数

3年生1組24人、2組24人、計48人
担当者 担任
実施日(期間) H30年 2月4日(月)
講師名 信州ツキノワグマ研究会
実施概要 長野県に住んでいる身近な野生動物を知り、特にクマ・シカ・カモシカについては、具体物に触れながらくわしく知る。

里山や町に出てきた野生動物について知り、町で暮らす動物にとってのメリット・デメリットを知る。

実施状況
(授業風景)
子ども達は、2年3年と「川の生き物探し」をしていることから、今度は山の動物のことについて教えてもらえると楽しみにしていた。また、川の生き物探しの本を一人1冊作った体験から、この日もお話を聞いたら本を作ろうとメモを片手にお話を聞いた。

〈信州ツキノワグマ研究会の活動について知る。〉

〈長野県に住んでいる身近な野生動物をクイズ形式で知る。〉

・スライドによる視覚情報と間に入るクイズにより、興味を持って話を聞き続けることができた。

〈山と里山と里(市街地)の話と航空写真や新聞記事から、市街地に出る野生動物が増えているという環境との関連について知る。〉

・3年生の国語で「里山は未来の風景」という説明文をやっているので、里山という言葉にもなじみがあり、「100年もまきを取らないと、もう普通の山みたいになるね。」という説明と、伊那地方の実際のクマの動きのアニメーションから、すぐ近くに山の動物がいるんだ、という実感を持った子が多かった。

〈ツキノワグマやシカについて、具体的に生態をクイズやスライドで教えてもらう。〉

・クマやシカの分布図で長野県が赤く染まっていたこと(ほぼ全域に生息)に驚いていた。(視覚的に分かりやすかった。)

・オスとメスの話から、特に男子が「オスは大きくて強くてかっこいい」と興味を持っていた。

・クマは鮭のような魚を食べるより、実際は幼虫を食べたりして山の生態系に役立っている(虫が増えすぎない)と知り、驚いていた。

〈田川の周りのような市街地にはどんな動物がいるか、クイズ形式で知った後、町で暮らすメリット・デメリットをスライドで教えてもらう。〉

〈骨や毛皮などの具体物に触れながら、クマ・シカ・カモシカについて自由に質問する。〉

・3つのコーナーに分かれて、それぞれの専門家に質問したり、毛皮をさわったり、と自由に動いた。

・クマの毛皮を着たりシカの角を頭につけたりして、なりきる男子たち。

・「さわらせて~」とクマ役の子は大人気。

・乾燥した糞やえさなども展示してあり、質問をたくさんしてメモを取っている子や、動物になりきって楽しんでいる子など、さまざまに過ごした。

 

授業について  記 入 者 担任
1 授業を通しての子どもたちの反応、感想等

「クマのオスとメスにあんなにちがいがあるとは思わなかった。クマのオスはかっこいい。」「シカは襲われないようにあんまり寝ないなんて、なんて賢いんだ、と思った。」「今まで動物のことを考えたことがなかったけど、今日の話を聞いて興味が出てきた。みんなにももっと知らせたい。」(その後総合の時間に一人1冊本を作りました。)「クマは怖いと思っていたけど、山の昆虫を食べて減らすなど、山の役に立っているんだなあ。」「クマは怖いと思っていたけどクマ研の方のお話を聞いていたらかわいいと思った。」「山の動物も人間も同じ命です、という言葉が心に残った。」

 

2 先生方の感想、要望等

・市街地に住んでいて野生動物を意識しない子ども達であるが、動物の話には興味があり、専門家の豊富な事例と動物への愛情を感じさせる語り口から、楽しく動物について知ることができた。

・長野県の生息分布図や、伊那地方のクマの動きから、長野県にはクマやシカやカモシカがいるということを知り、県民の一人として良かった。

・角を頭につけたり、クマの毛皮をかぶったりして、動物になりきって楽しんでいる姿もあり、具体物の良さを感じた。

 

・3年生でふだん動物の恐怖を味わっていない子ども達には、クマ研の方の動物への愛情がストレートに伝わっていた。