上高地歴史散策

授 業 名 上高地歴史散策

【「信州環境カレッジ」補助事業】

実施学校名 松本市立安曇小学校
実施学年、学級

参加人数

5・6年(8名)
担当者 担任
実施日(期間) 2021年10月15日
講師名 ネイチャーガイドファイブセンス
実施概要 ① 学習問題「平らになった上高地で先人達はどのように暮らしていたのか」解決に向けて実際にバスターミナルから明神池まで歩いて調べる。
② 小梨平の地名の由来、徳沢の牧場、杣、清水川・中川でパックテスト、嘉門次小屋でお話と岩魚試食、明神池と明神岳、龍と鷁、善六沢、日本山岳会小水力発電等を調べ、先人が平らになった地形をうまく活用していたことを学ぶ。と梓川が流路を岐阜から安曇に変えたことを学ぶ。
実施状況
(授業風景)
 先月登った岳沢をバックに撮影。かつて湖だった上高地が平らであることを実際に歩くことで実感した子ども達。その中央に梓川が流れている。
水が青っぽく見えるのは、川の砂が白っぽいからであるとの説明に、子ども達は、火成岩と梓川との関係に目を向けた。小梨平では、コナシの木を見ながら、かつてこの地でりんご栽培を試みていたことを知る。清水川を観察する子ども達。バイカモが揺れるこの川がきれいであることは一目してわかる。パックテストをしてCOD0であることを確認。この後中川でもCOD0。どちらも抜群の水質である。ここは伏流水。岳沢ハイキングの学習で確認した場所と同じ地形だ。

嘉門次小屋で岩魚を味わいながら、女将の上條久枝さんの話を聞く。戦争に向けて測量のために上高地に入ったこと、嘉門次がここでウェストンを案内していたこと等を聞きながら、明治の上高地の様子を思い描いた。また、ウェストンから譲り受けたピッケルや、戊辰戦争で使ったものを狩猟用に改造した火縄銃を触らせていただいた。

日本山岳会山岳研究所で小水力発電施設について学んだ。時間が足りなかったので、小水力発電をテーマにしている 6 年生はもう一度訪問する。

授業について  記 入 者
1 授業を通しての子どもたちの反応、感想等

先人達は、平らな上高地で木を切ったり、農業をしようとしていたのに、今の上高地は観光地になっていて「時代って変わっていくんだなあ。」と思いました。嘉門次小屋の岩魚は頭から食べて、とてもおいしかったです。


2 先生方の感想、要望等

山間にあるのに平坦な地形である上高地。先人達はその地形を生かしながら暮らしてきたことがよくわかった歴史散策だった。小梨のりんご、徳沢の牧場、杣、風穴の活用、猟・・・。明治に入ると、ウェストンを始め、外国人がこの地に入り、世界に紹介されたことで上高地の新たな魅力が生まれた。水質をテーマに追究する 5 年生と小水力発電をテーマとする 6 年生が共に活動したので、内容は盛りだくさんになったが、それぞれの学年で課題を解決することができたと考える。岳沢ハイキングにより地質面での上高地の成り立ち、先人達が暮らしてきた今回の上高地歴史散策に引き続き、次回は焼岳噴火後の発電と大正池について学習を深めていく予定だ。
ネイチャーガイドの山部さん、嘉門次小屋の上條さん、日本山岳会の方、みなさんが本校の学習の意図をくみ取って下さり、大変意義のある半日となった。