水殿ダムラフトピクニック
授 業 名 | 水殿ダムラフトピクニック
【「信州環境カレッジ」補助事業】 |
実施学校名 | 松本市立安曇小学校 |
実施学年、学級
参加人数 |
5年・6年 16人 |
担当者 | 担任 |
実施日(期間) | 令和7年7月9日 |
講師名 | 合同会社リトルピークス |
実施概要 | 1 河岸段丘稲核地区の地形とそこにつくられたダムの仕組みと役割 2 流れる水と止まっている水の違い体感 3 伏流水である水殿川の観察 4 親水体験 |
実施状況 (授業風景) |
![]() 1 5年生は一週間前に乗鞍登山キャンプで指導してくださった両氏に再会。6年生は昨年のラフティング以来の再会だ。まず、1970年竣工した水殿ダム建設時に同じ素材を使って設置したコンクリートブロックを見学。このブロックの劣化状況から、実際のダムが現在どうなっているか予想できるようになっている。奥にはダム建設時に資材を運ぶために使った足場のコンクリートがそのまま残されていることも確認できた。 2 本プログラムの3日前に梓川で高校生が亡くなったことを想起し、「水の怖さや自然の危険を正しく知りそれに対応することが大切」と小峰氏より学んだ。ラフティングボートを膨らませて浸水。水深は80m。水深が10m以上になると日光が当たらないためダム湖の水温は低い。この後、子ども達はダム湖に飛び込んで水の冷たさを実感した。水の中に入ると子ども達は自力でボートに戻ることはできない。友達にライフジャケットを引っ張ってもらって戻ってくる。 3 ダム湖の対岸にある水殿川に上陸。この上流は水が流れているが、この場所はダムができたことによって礫が堆積しているため、伏流水となっている。子ども達は水が湧き出しているところまで歩いて観察した。泥岩やチャートなどが確認された。見上げると東京電力が点検のために設置したつり橋が見える。 4 水殿川に飛び込んだ子ども達。水殿ダム湖と比べて温かいことが体験できた。「滞留しているダムの水は半分死んでいる。一方で水殿川の水は生きている」と小峰氏は語った。魚や石の観察、水切りなど思い切り親水体験をし、ボートを漕いでスタート地点に戻った子ども達の顔は笑顔に変わっていった。 5年生は昨年度学校近くの梓川、6年生は奈良井川と梓川の合流地点で「流れる水」の体験をしていた。今回は「止まっている水」を初めて体感した。発電のためにダムが建設され、60年前の川と状況が異なっていることを推察することができた。梓川右岸の山の上には、関東方面への送電線を見ることができた。また、両学年とも上高地や梓川の地質について関心をもっているので、水殿川の石から上流の霞沢岳の様子も思い浮かべることができただろう。秋には霞沢発電所と大正池浚渫の見学を予定している。 |
授業について | 記 入 者 | 担任 |
1 授業を通しての子どもたちの反応、感想等
ダムの水が想像以上に冷たくて最初に入ったらギャーっとなってしまいました。水に飛び込むと一瞬体が沈んですぐにプカッっと浮くのでライフジャケットって大切だなと思いました。最初は怖かったけど人の体は浮くからパニックにならないことが大切だなと思いました。水殿川にはきれいな石がたくさんありました。水切りしやすい丸くて平たい石は泥岩でした。やっぱりチャートは角張っていました。 2 先生方の感想、要望等 安曇地区の地形と地質も関心をもつ子ども達が、実際にダム湖に入り、水の温度や滞留を体感できた経験は非常に大きい。単に「楽しい」だけでなく「水の特性・役割・怖さ」等について、体で感じることができていた。また、昨年度までの地質の学びや秋に予定している発電の学びにも結びつけて考えるよい機会となった。こうした本校のカリキュラムを鑑みた上で、子ども達に体験を通した学びの場を提供してくださったリトルピークスの小峰氏には心より感謝している。 |