岳沢ハイキング

授 業 名 岳沢ハイキング

【「信州環境カレッジ」補助事業】

実施学校名 松本市立安曇小学校
実施学年、学級

参加人数

4年 7人
担当者 担任
実施日(期間) 令和6年10月1日
講師名 信州大学名誉教授 原山智
実施概要 1 焼岳・穂高連峰・梓川の景色から成り立ちを学ぶ
2 岳沢湿原と湧き水で土砂崩落を学ぶ
3 岳沢小屋までハイキング
(1)巨大な花崗岩ベイビー(2)風穴(3)氷河の痕跡(4)溶結凝灰岩と閃緑斑岩(5)岳沢から平らな上高地を俯瞰(6)柱状節理
実施状況
(授業風景)

1 学校の花壇で作った「上高地ジオラマ」を原山先生に見ていただく
7月、子ども達は花壇を使って1万2000年前の上高地を再現。夏休みをはさんで約50日をかけて「古梓川渓谷」「白谷山噴火による堰き止め」「古上高地湖」「境峠断層地震による古上高地湖決壊」を実験してきた。出発前、その「上高地ジオラマ」を原山先生に見ていただいた。この事前学習があったため、以降の岳沢ハイキングにおける原山先生の説明も子ども達はきちんと理解することができた。
2 花崗岩と溶結凝灰岩、閃緑斑岩のガレ場を登る
岳沢湿原、登山道の脇にある湧き水のきれいさを実感した子ども達は、それが伏流水であることを学んだ。大地が土砂崩落することが恩恵にもつながっている。眼前には巨大な花崗岩。さらに歩みを進めていくと溶結凝灰岩、閃緑斑岩と石が変わっていくことに気づいた。このことから、ここ上高地はかつてカルデラ火山であったことを学んだ。途中、原山先生が発見した氷河の痕跡を見学。水がつくる地層と違い、泥や礫、シルトが混在している。噴火後の大地の営みを実感した。
3 岳沢から平らな上高地を俯瞰
目的地である岳沢小屋に到着。昼食後に岳沢のガレ場に行き、原山先生のお話を聞きながら平らな上高地を俯瞰した。「かつてはV字谷だったこの場所は300m以上の土砂で埋まっています。ちょうどアルファベットの『A』を逆さにイメージです」と原山先生。子ども達が「将来は平らな上高地の地形はどのように変わっていくのですか」と質問した。原山先生は「何もしなければ2~300年後にはもとのV字谷に戻ってしまいます」との回答に子ども達は驚いていた。


4 柱状節理を観察
岳沢の奥にある柱状節理。子ども達が「大きな鉛筆みたい」と語ったように、巨大な六角柱が崖にへばりつき、崩れている様子がよくわかった。これが穂高連峰の急峻な地形を生み出している。雨が降った時は滝が出現する。しかし、水の流れは表面ではなく伏流水となっていく。子ども達はジオラマでの土砂実験を想起しながらこの仕組みを理解していった。

授業について  記 入 者 担任
1 授業を通しての子どもたちの反応、感想等

平らな上高地ができるまでに1万2千年もかかったのに放っておくと2~300年後にV字谷にもどってしまうことにびっくりした。自然の力はすごいなと思った。土砂を運び出すなど人が上高地の自然を守らなければいけないと思った。
柱状節理が冷えて「ぴきっ」となってこういう形になったことがわかった。
これからはジオラマの土がたまっているところが層になっているか調べたい。カルデラ火山を調べたり梓川の火打石を見たりしたい。

2 先生方の感想、要望等

平らな上高地ができるまでに1万2千年もかかったのに放っておくと2~300年後にV字谷にもどってしまうことにびっくりした。自然の力はすごいなと思った。土砂を運び出すなど人が上高地の自然を守らなければいけないと思った。
柱状節理が冷えて「ぴきっ」となってこういう形になったことがわかった。
これからはジオラマの土がたまっているところが層になっているか調べたい。カルデラ火山を調べたり梓川の火打石を見たりしたい。