岳沢ハイキング

授 業 名 岳沢ハイキング

【「信州環境カレッジ」補助事業】

実施学校名 松本市立安曇小学校
実施学年、学級

参加人数

5・6年(8名)
担当者 担任
実施日(期間) 2021年9月29日
講師名 信州大学原山智先生 山岳ガイド
実施概要 ①上高地の成り立ちについて地質から考えるために、実際に穂高連峰の中腹である岳沢に登って観察する
② 上高地がなぜ平らなのか、岳沢から俯瞰し、火山の噴火による湖の出現と梓川が流路を岐阜から安曇に変えたことを学ぶ
③ 岩石の違いがかつてのカルデラ噴火によるものであることを実際に観察することで確認する
実施状況
(授業風景)
岳沢のガレ場付近。登山道入り口は花崗岩が主体であったが、途中から溶結凝灰岩に変わっていた。原山先生の説明によると、かつてのカルデラ噴火の境界線が岩盤のちがいに表れるという。子ども達は、地下からの隆起と、浸食によってできた地形を実感した。

途中、原山先生に「水が土砂を分離する実験」をしていただいた。かつて上高地もこのような湖になっていた。だから、土砂は分離しながら谷を埋め、現在のような平らな地形ができてきたことを学んだ。

登山道の途中、礫と砂が混ざらない状態の場所。原山先生が今年の8月に発見した。礫と砂が混ざっていないということは、ここは水ではなく、氷河が流れていたという証拠である。子ども達は非常に驚いていた。

岳沢から上高地を俯瞰する子ども達。ここに立つことで上高地が改めて平らであることを実感した。また、焼岳や霞沢岳に比べ、大正池がいかに小さいかも確認できた。子ども達の足下にあるのは岳沢の柱状節理を利用した椅子とテーブル。ここにも水の営みがあることを知った。
1万2千年前の噴火で湖ができ、梓川が流路を変えて安曇側に流れ出たことで今があることも学んだ。

授業について  記 入 者
1 授業を通しての子どもたちの反応、感想等

岳沢に登って、上高地が平らだということがわかりました。1万2千年前の噴火で、安曇の方に川が流れてよかったと思いました。だって、観光客の人がたくさん来てくれるから。岳沢の下の伏流水のパックテストをしたけど、COD0でやっぱりめっちゃきれいでした。


2 先生方の感想、要望等

地質の話は小学生には難しいが、事前にNHK「ジオジャパン列島大隆起」を視聴することで何となくイメージを持っていた子ども達だった。扇状地と伏流水については、社会科や理科で学習しているので、イメージしやすく、パックテストの結果も予想通りで、子ども達は安心したようだ。氷河地形については今後スライムを使って実験したい。1万2千年前の白谷山の噴火により、上高地には巨大な湖が出現したことと、現在の上高地が平らになったことについては、事後に学校でふり返りをすることですべての子ども達が理解した。また、梓川が流路を大きく変えたことが現在の上高地に多くの観光客が訪れることに結びついていることも理解したようだ。今後は、「平らになった上高地で先人達がどのような営みをしていたのか」を学ばせていきたい。